懸恋-keren-
超短編
2008年5月1日木曜日
君の後ろに
君の後ろにいる猫は、どうもあまり毛並みがよくないようだね。
どれ、おじさんが餌をやろう。ちょっとおいで。なーに、心配はいらないよ。毒を盛るわけじゃないんだから。
そう言われて、ぼくの被っていた猫は、知らないおじさんにノコノコついて行ってしまった。
猫がいなくなって、いよいよぼくはよい子のやり方がわからない。
この際だから、クラスでいちばんお利口の子の猫を盗もうと思う。
「君の後ろにいる猫、最近元気ないね? ぼく、猫のよろこぶおやつを持ってんだ」
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