懸恋-keren-
超短編
2008年3月9日日曜日
言祝ぐ日
仮死状態で生まれ落ちた赤ん坊は、小さな石を握り締めていた。
秘色の石は、老いた産婆によって赤ん坊の額に乗せられると、ギラリと光った。「生きよ」
石が低く唸る。それに応えるように、赤ん坊はようやく泣き出した。
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