懸恋-keren-
超短編
2008年3月18日火曜日
やっぱり忘れた
あの子の名前が膨らんだ桜の芽のような色であること、2+8が蜂蜜のように甘いこと。
15歳になった途端にわからなくなり、19歳になったら、そんな感覚があったことさえ忘れはじめていた。
「大人になったら、忘れてしまう」
と言われたとき、そんなはずはないと断言したのに。
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