2005年10月25日火曜日

操り人間と発条ネコその11

操り人間の安田はかつて操り人形だった。
どういう経緯で操り人間になったのか、安田は覚えていない。
しかし、操り人形だった時のことはよく覚えている。
安田は道化だった。操作する者(安田は親方と呼んだ)によって踊りがうまくなったり下手になったりした。どちらにしても、笑われるのだが。
安田は、自分で軽やかに踊る夢を見ている。大観衆から喝采を浴びている。

公園の真ん中でひっくり返っている安田の身体をキンキュウジタイが解いている。
それを見た人々は指を指して笑う。