懸恋-keren-
超短編
2005年10月19日水曜日
操り人間と発条ネコその6
操り人間の安田は歩き続ける。
安田が行く処、すべからく未踏の地であるべし、である。
安田が夜の街で眠っている発条ネコを見つけた。
「よく見掛けるけれども、一度も動いているのを見たことがないネコ」である。
安田は「コイツはいつでも緊急事態だな。」と呟きながらキンキュウジタイのヘソについている発条のネジを巻く。
力を入れ過ぎて膝が萎え、その場に崩れ落ちて気を失った。
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