懸恋-keren-
超短編
2004年1月21日水曜日
にんじん
「ねぇ?ぼくのしあわせって何?」
にんじんがそういうので振り上げた包丁のやり場に困った。
「馬に食べてもらう」
「ヤダ」
「兎だ」
「もっとやだ」
「ハンバーグの添え物」
「ちがう」
「ゴボウかなんかと一緒に煮物」
「やーだぁー」
にんじんは泣きだした。
「うるさいなーもう。おまえはカレーの具になるの!」
「あ、それでいいや」
「んじゃ、そういうことで」
トントントントントントン
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