2024年7月2日火曜日

喫茶店 #文披31題 day2

神輿や、法被を着た者たちが窓の向こうを次々通り過ぎる。外の喧騒をよそに店内は驚くほど静かだ。ぬるい珈琲を啜りながら祭の様子を眺める。異形の者が紛れ込んでいる。彼らは私に見られていることに気付くと会釈を寄越す。その瞬間だけ祭囃子が私の鼓膜を激しく揺らすのだ。