超短編
真夏に飲む「去年の茶葉で淹れた茶」は、去年を連れてくる。眼の前の子に被さるように今より少し幼い子の姿がチカチカと見える。彼岸へ渡ったばかり人がチラチラと見える。淹れるのには気合が必要だ。でもやっぱり私は会いたくて、真夏に名残の茶を淹れる。