超短編
「お水を夏に返したい」と言って、子は室外機から落ちる水滴を一番高価なグラスに溜めている。エアコンの中を伝ってきた水は意外なほど澄んでいてキラキラと輝いている。子としゃがみこんでグラスに水が溜まるのを見つめる。汗が流れ落ちるのも構わずに。