超短編
赤ん坊の私は樹の下で眠っていた。私はそこで拾われ、その時の模様のまま大人になった。左頬の葉の形がくっきりわかる影と、右の胸から肩に向かってすらっと伸びた枝の影が特に気に入っている。私が拾われた場所は今、駐車場だ。形見は葉が一枚だけ。