超短編
山からそうめんを流す仕事を親から受け継ぎ四年になる。ここは崖の多い登山客も少ない山小屋で、流したそうめんがどこに行くのかも、このそうめんを誰が食べるのかも、私は知らない。今日も明日もそうめんを茹で樋に流し、ぼうっと見送る。幸せに思う。