「モンドくん、モンドくん明日の天気はどうだね?」
とレオナルド・ションヴォリ氏が言うので主水くんは鉛筆片手に無線機に向かった。
主水くんは、熱心にノートに何やら書き留めてから無線機のスイッチを切り、ションヴォリ氏に告げた。
「博士、明日の降水確率は80%、薔薇の香りです」
ションヴォリ氏は飛び上がって喜ぶ。
「ほっほーい!」
翌日、薔薇の香りの雨がしっとりと降る中、ションヴォリ氏はばら色のスーツにばら色のレインコート
ばら色の長靴にばら色の傘を差し、薔薇の花束を抱えて、墓参りに出かけた。
初恋の人、ロザンナに会いに行くために。
レオナルド・ションヴォリ氏は、じいさんだ。
どれくらいじいさんかと言うと、年がわからないくらいのじいさんだ。