懸恋-keren-
超短編
2005年12月5日月曜日
追い雨
突然の大雨で町はちょっとした騒ぎになった。
天気予報士は「一日中晴れ」と自信満々だったのに、この雨。
その雨の中を堂々と歩く紳士がいた。
傘はなく、スーツは色が変わり、歩く毎に靴から水が溢れる。
だがそれを気にする様子はない。
雨はそれが面白くて仕方ない。夢中で紳士を追い掛ける。
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