じっとりと蒸し暑い雨が盛大に降る中しゃれこうべと出くわした。
汗と冷や汗と雨で濡れたシャツは肌に張り付いた。
しゃれこうべは、お喋りだった。
「こんな腐った雨の日だから俺はお前と話しができるんだ。カッカッカッ」
歯を鳴らしながら「幸運だ」と喜んだ。
「ケイサツに届けないと…」
とぼそぼそと言うと
「はあ?俺は死体じゃないぜ?」
と宣う。
雨は本当に腐っていた。鼻にツンとくる。息をするのも辛い。
「この雨は美味いぞ、呑んでみな。チーズのような…おい、アテはないか?」
呆れた僕は回れ右をして歩きはじめた。
「するめ買ってこいよ~雨が止む前に!」
ヤダね。