タマゴが公園を散歩していた。
このタマゴ、身長約壱米、手足もついている。タマゴのバケモノと思って下さればよろしい。
さて、タマゴが公園を散歩していた。
都内でも大きなこの公園、たくさんの人が夏を楽しんでいる。
杖を振り回しなが歩いていたおじいさんの杖にぶつかり、タマゴに少しヒビが入った。
タマゴはそこいらのタマゴとは違うので(なにしろバケモノだ)そのくらいの衝撃では割れることはない。
タマゴは散歩を続けた。
子等の投げる球が当たり、またタマゴにヒビが入った。
ベビーカーにぶつかり、またまたタマゴにヒビが入った。
このあたりでタマゴは散歩にきたことをやや後悔する。
そして犬に吠えられた。驚いたタマゴはゴロンと転んでヒビからまっぷたつに割れてしまった。
真夏の太陽に照らされたアスファルトの上で、あられもない姿になったタマゴは目玉焼きになった。