懸恋-keren-
超短編
2009年11月16日月曜日
明確なアイマイ
午前三時に目が覚める。寝返りを打つと、目の前に眠る男の顔があった。
睫毛
額にうっすらと、にきびの跡
規則正しい寝息
左手でそっと顔を撫でる。いとおしさが溢れる。
私は、この人のことが、とても好きなのだ。
再び目を閉じた。
朝、代わり映えのない目覚めだ。
窮屈なベッドの中で起き上がるのを渋っていると、なぜか毛布から他人の匂いがした。心地よい男の匂い。よく知っている男に違いないと思うのに、まったく心当たりがない。
けれど、確かに言えるのは、私はきっとその男がとても好きなのだ。
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