エルとエルは背中合わせに座っている。
ぴたりと背中をくっつけて、脚を投げ出し、夜中の野原に座っている。
二人は裸で、今は冬。互いの背中の温もりだけを頼りにゆっくりと白い息を吐いている。
二人は星を見ているのだ。七つの一等星の瞬きの隙間から、時折、流星が見える。エルもエルも声は決して出さないけれど、流れ星を見た瞬間にだけ、白い息がほぉっと大きくなる。
エルはエルの願い事を知らない。
エルもエルの願い事を知らない。
それでも夜明けまで背中だけを頼りに温め合う。
エルが凍え死んでしまわぬよう、それだけを祈りながら。