ボールチェアに沈んで、脚を組み転寝をするキミは人形のように完璧で、僕はいつも粗探しを始めてしまう。
寝息は耳を澄まして、ようやく微かに聞こえる程度で、硬そうな下着で形作られた胸は上下しない。
睫毛は長く流れる。目脂の欠片も見つからない。
くっと細い顎を持ち上げて、鼻の穴を覗き込む。真っ暗で何も見えない。
腹の上で組まれた手の爪は計算された図形のように揃い、真っ赤に塗られている。
短すぎるスカートは、捲るまでもなく、裾をちょっと引き上げる。ふっくらとした恥丘は、薄い布一枚で覆われているだけなのに、陰毛の影はない。
白いロングブーツを脱がせ、足に顔を寄せる。
何の匂いもしない左足の親指を甘く噛むと、キミの身体がピクッと反応した。それは本当に僅かで、ささやかな反応だったけれど、僕を決意させるに充分だった。
真っ白な球体に包まれて眠るキミは、夢の世界ではなくて、宇宙に行っているんだろう。そこには僕はいない。だから僕は、これからキミを凌辱するよ。
ボールチェア:エーロ・アールニオ