懸恋-keren-
超短編
2007年1月26日金曜日
一月二十六日 折り紙を折る
女の子にせがまれて、奴さんを折った。
折り紙なんて、久しくしていないから細い細い記憶を辿りながら折った。
出来上がった小さな白い奴は、よく喋った。
女の子は、おしゃべりのうまい奴に夢中だ。
女の子と、女の子の掌の上の奴を見送りながら、奴が女の子に悪戯しないか心配になった。
なにしろ私の作った奴だ、助平に違いない。
次の投稿
前の投稿
ホーム