全身、ゼブラ柄の人に出会った。
ゼブラ柄のハット、ゼブラ柄フレームの眼鏡、ゼブラ柄のシャツにジャケット、ゼブラ柄のズボンと靴。そこから覗く靴下もゼブラ柄。もちろん鞄もゼブラ柄。
なんと彼は身につけるものはすべてゼブラ柄。物心付いて以来、ゼブラ柄しか着たことがないという。
「最近、悩んでいるんです」
と彼は言った。
「もしかしたら僕は本当にシマウマなのかも、って。でもどう確かめればいいのか、自分じゃわからない」
私は彼をホテルに誘うことを妄想した。
そうすれば、彼がシマウマなのか、シマウマ的なのか、シマウマ好きなだけなのか、すべてわかるんじゃないかと思うのだ。