懸恋-keren-
超短編
2007年1月23日火曜日
一月二十三日 米研ぎ
米を研いでいると、ウサギが現れた。
「握り飯を食わせろ」
「これは、私が夕飯に食べるんだ、アンタにやる飯はない。」
というと、ウサギはならば、と自分も米を研ぎはじめた。
ウサギは水が冷たいからと言って、湯で米を研ぐ。
たちまちよい香りがしてきて、ウサギの米は飯になった。
うらやましくて、真似をしたけれども、飯にはならなかった。
いつのまにか、ウサギはいなくなっている。
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