2005年9月24日土曜日

さあ、眠りたまえ

滅紫色の長櫃が届いた。
「ご苦労さま」
担いできた若者二人は、ペコリと頭を下げると
荷物は何もないのに、エッサホイサと帰っていった。
長櫃の中には、人形が入っている。フランス人形、日本人形。小さい人形、大きい人形。何体あるのか、数えたことはない。
長櫃を滅紫に塗ったのは、彼らが暴れないように、人形の気配が外に漏れないようにするためだ。
色々と試した末に滅紫になった。
人形を閉じ込めて眠らせておくのは、心が痛む。
だが、彼らは私の精気を吸い取っていくのだ。
殺さないだけ、いいでしょう?
【滅紫C15M50Y0K70】