私が好きな曲は「パビムン」。
ジャズのスタンダードナンバーだ。
初めて買ったラジオのスイッチを入れた時に、流れてきたのが「パビムン」だった。
派手な曲ではない。静かなラッパの(後にコルネットと知る)フレーズが繰り返される。
初めて買ったレコードも「パビムン」だった。13才だった。
レコード屋の親父に「パビムンなんか聴くのか? 珍しい子だな」と言われた。
私はレコードを引ったくるように受け取り、家に帰った。
それからは「パビムン」が収録されているレコードは何でも集めた。
ほかの曲は無視して「パビムン」ばかり聴いた。
今聴いているのは、チョット・バカリーの「パビムン」だ。