少し郊外に出ると、そこにはパビムンの畑が広がっていた。
パビムンというのは、この地でしか採れないらしい。
一面のパビムン畑は、異様な光景である。
恐ろしくて逃げ出したくなる衝動に駆られながら、私は畑の中を歩いた。
写真を撮り、栽培者に話を聞かなければならないのだ。
だが、畑に入ってから人間の姿は見当たらない。
私は改めて景色をゆっくりと眺めた。
まず、この匂いが耐えられない。
青々とした畑は、焦げ臭かった。逃げなければ焼け死んでしまいそうだった。
花は目玉にしか見えない。
風に揺れる幾千万の目玉。
「あ……」
私は、たぶん気絶する。