懸恋-keren-
超短編
2004年8月21日土曜日
朝の光景
駅前に着くとあちらこちらでサラリーマンのスーツのポケットからサラリーマンが出てくる。
「お世話になりまして、どうも」
「いえいえ、明日はこちらがお願いします」
ポケットに入っていたサラリーマンとポケットにサラリーマンを入れていたサラリーマンが
あちらこちらで深々とお辞儀をしあっている。
僕も早くサラリーマンとやらになりたいものだ、と学生服の襟を緩めながら思う。
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