「今夜はドライブだ」
「……なにコレ」
「知らんのか、最新の車だよ。プジョー・ベベだ。時速60Kmだぞ、速いだろ」
小父さんとぼくはその小さくてヘンテコな自動車で夜中の町へ繰り出した。
いつのまにかフクロウが付いてきていた。
「どうだ気持ちがいいだろ」
「……恥ずかしいよ」
ピュン {ギャン!}
フクロウが叫んだ。
「小父さん、追い掛けよう!」
「ありゃ流星だ。ほっとけ」
「でも!」
まもなくガス燈の下で煙草をふかす流星を見付けた。
ぼくは流星に殴り掛かった。
「フクロウに謝れ!」
ぼくは埃塗れになっただけだった。