懸恋-keren-
超短編
2003年5月1日木曜日
19:00
ぼくは勉強机に頬杖をついていた。
母さんは夕食の支度をしてる。もうすぐ「ごはんよー」と声が掛かるだろう。
そしてあれこれ今日の出来事を聞いてくるんだ。懲り懲りだ。
何もすることがない。
何もしたくない。
頭の中にクラスの女子の顔をいくつか思い浮かべようとしたけれど、すぐに消えた。
部活の事は考えたくない。先輩は先生より絶対だなんて思わなかった。
みんなが騒ぐアイドルもどこがいいのかわからない。
「ごはんよー!」
ぼくは無言で居間のドアを開けた。
知らない女の子がいた。
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