2003年5月22日木曜日

A PUZZLE

小父さんがプレゼントしてくれたパズルは変わっていた。
手のひらに乗る程の小さなブリキの箱に、たった二つのピースしか入っていなかった。
「これだけ?」
「そうだ。今は、な」
ぼくはその二つをぴったりはめ込んだ。
すると箱の中には新しい二つのピースが生まれていた。
どちらを先に手に取るかでパズルの完成具合が変わるのだ、と小父さんは言う。
だからぼくはいちいち悩まなければならなかった。
「ゆっくり悩めばいい。どうせ一個しか選べない」
「いつ終わるの?このパズル」
「満足すれば終わる、かもしれない」