ドクロは戸を開けると同時に言った。
「逃げるぞ。投獄される」
ドクロが率いるトカゲ盗賊団の逃避行は当然のことながら困難を極めた。
一向はあえて東進したが既に世界中に通せん坊が待ち受けていた。
十重二重に取り囲まれていたのだ。
だましだまし通り抜けては来たが、特に年端もいかぬ少年トカゲにとっては塗炭の苦しみであった。
どのみち捕らえられるなら、早く独居房にでも入って眠りたいとさえ思った。
実際、まもなく一行は取り押さえられた。
頭領ドクロは途方にくれた。
トカゲ盗賊団は事実無根の豆腐屋なのだ。
とんちんかん