ツバメはツグミに頼まれ銀行へお遣いに出た。
ところが月夜カラスに掴まって、ついつい釣りに行ってしまった。
このカラスは艶種の絶えない男だった。
若いツバメは知らなかった。ただのカラスだと思っていたのだ。
カラスは、ツバメが通帳を持っていることに気付きこう言った。
「どうだ?このまま津々浦々巡ってみないか?」
遠い港町まで行き、夜になると旅館に
芸者を呼びツバメを遊ばせた。
翌朝、カラスはすさまじい面構えで言った。
「オマエが呼んだ女は俺の妻だ。」
こうして月夜カラスは美人局を成功させたのだった。