懸恋-keren-
超短編
2003年1月2日木曜日
月夜のプロージット
静かな夜だ。
私とお月さまはテラスに出て熱燗を飲むことにした。
七輪を出して火を入れると、なかなか幸せな気分になった。
月の光がちょうどよい。星もいつになくよく見えた。
「では」
「HAPPY NEW YEAR!」
酒はただただ旨かった。
「お月さまがこちらにいる間のあの月は、何ですか?」
「それは、秘密ですよ。偽物の月はではありませんから、ご心配なく」
偽物じゃなければ何だろう?
夜空を飛び回るヒツジたちを見ていたら、眠たくなった。
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