懸恋-keren-
超短編
2003年1月23日木曜日
月が溶けた話
昼間の白い月を眺めていたら、なんだかだんだんユラユラしてきて
ついにグニャグニャになってしまった。
私は仰天し、焦っていたが、なんにもできず、ただグニャグニャ月を見上げていた。
そこに通り掛かった子供が
「お月さんがソフトクリームみたいになってるよ!急がなくちゃ全部溶けちゃう!」
と言って月をペロペロ舐めだした。
「おじちゃんも舐めれば?」
と言うので少し舐めた。
あとでお月さまに「気色が悪い」と叱られたが、何故溶けたのかは教えてくれなかった。
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