星の感触というのは、第五感では到底説明できない。
「七番目の感触だよね」
うんうん、と皆で言い合うけれど、ナルミ先生はキョトンとしている。
世界中で僕たちの年だけ、星の感触を感じることができる。2777年生まれの子供だけが。
だから僕たちは、スター・セブンなんて呼ばれるけれど、なんだか大昔の煙草の名前とよく似ているらしいから、あまりカッコいいとは思わない。
彗星はとても不思議な感触だった。昨日の夜のことだ。第五感はすべて塞がれてしまったけれど、いつまでも浸っていたかった。彗星は足が速く、三十分ほどで第七感は薄れて、五感が戻ってしまった。本当にあっという間だった……。
世界中の子供たちも同じだったようで、うっとりとしたまま失神した子供が、何十万人もいる。
僕たちはあの星が再び地球に近づくのを強く強く願っている。大人になった時、僕たちの中から、あの彗星を地球に近づけるプロジェクトを実現させる者が現れるだろう。
それが地球を滅ぼすことになっても、構わない。それぐらい、第七感は、僕たちには大事なんだ。
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