懸恋-keren-
超短編
2007年5月18日金曜日
五月十七日 傘があっても
ザアザアと大雨だったのに五十七歩、歩いたところで晴れてしまった。
面倒なので傘はそのまま差して歩いていたら
「せっかく傘を差しているんだから、何か降らせてやろう」とお天道さんが言う。
何かしらん、と思ったらお天道さんはブルブルと震え、火の粉を降らせた。
「それじゃあ傘が燃えてしまうよ!」
と言ったら、お天道さんは赤い顔をもっと赤くして照れていた。
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