懸恋-keren-
超短編
2007年5月14日月曜日
五月十四日 いまは栗鼠人間
「栗鼠人間がさ」と少年が言う。
「栗鼠人間?何ソレ」
少年の友達は心底驚いた顔で聞き返した。
「おまえ、栗鼠人間知らないのかよ? 栗鼠人間はテストの時、ちょこまか動いて間違えてるところを指摘するんだ。……指摘するだけだけど」
「正しい答えは教えてくれないのな」
「そういうこと」
私が中学生の頃は、オコジョ人と呼ばれていた。
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