懸恋-keren-
超短編
2006年7月4日火曜日
安らぎ
「剃刀を持ってないから」と姉さんは紙で手首にキズをつけた。
僅かに滲み出る血を、さっき刃物にした紙で吸い取った。
姉さんはそれを見ると、満足そうな顔で横になる。
僕は寝息をしばらく聞いた後、血を吸った紙を握って布団に潜る。
血をちょっと舐める。
*紙*
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