懸恋-keren-
超短編
2006年7月24日月曜日
夜に鳴く蝉
夜に鳴く蝉に縄を付け、引き廻す。
街灯たちは嘲笑う。
小便を垂れ流す蝉。
お前さんがチビるのを見たくて、街灯たちは偽りの明るさで誘惑してるのさ。知らなかったろう、気の毒だけど。
と呟いてみても、辱められた蝉には聞こえない。
僕は蝉にちょっぴり同情しながら、今夜も蝉を縄にかける。
*縄*
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