懸恋-keren-
超短編
2004年10月14日木曜日
本末転倒?
彼の帽子には触角がついていて、かわいい女の子が近づくとピルピル震える。
「便利だなぁ、これ。ちょっと貸してよ」
「痛い目にあっても知らんよ」
帽子をかぶると、途端に巨大なピンクのマシュマロに埋まったような心地になり、息は絶え絶え、足はガクガクになった。
「なんだよ、これ!」
「やっぱりおまえには刺激が強すぎたな。これに堪えるには坊主並の修行を必要とするのだ。心を落ち着け、女の子のことは一切忘れる!」
「そこまでしたくないよ……」
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