懸恋-keren-
超短編
2004年10月13日水曜日
誘える風
口笛みたいな風に誘われて、わたしの帽子は飛んでいった。
笛は草の匂いで豚の匂いで、帽子はグリーン。
口笛はやがて寝息に変わり、シチューの匂いで、母乳の匂いで、帽子はアイボリーになり、わたしの頭に帰ってきた。
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