懸恋-keren-
超短編
2004年10月15日金曜日
真夜中の思考
机の上に置かれた帽子を起こさないようにかぶると、帽子の夢が見える。
帽子の考えはオレにはわからないが、あえて言葉で表せば
「黒い大木の森の、びなよらや」とか
「地下の海の珊瑚礁が、なはもぬこに」というような
とにかく壮大で哲学的な夢だ。
ちなみにオレの帽子は近所のファッションセンターで買った730円の黒のキャップだ。
翌日、知らん顔して帽子をかぶるが、テキは何もかもお見通しなのではないかと、内心怯えている。
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