懸恋-keren-
超短編
2002年12月24日火曜日
月の客人
「明日は、友人を連れてきます」
『スターダスト』に現れたお月さまは昨日の言葉通り、老人と一緒だった。
私が初めてお目にかかります、と手を出すと老人は愉快そうに笑った。
「私は初めて、ではないよ」
お月さまもおかしそうに笑いながら言った。
「昨日は年に一度の彼の大仕事でね、翌日に私はご馳走するんですよ」
「へぇ……」
私はまじまじと年老いた男の顔を見た。白い髭がよく似合う……あ。
次の投稿
前の投稿
ホーム