二月某日、晴。黒い怪獣が泣いている。長いこと雨が降らないので、身体が土埃だらけなのだ、と。自動車用の洗車機に誘ってみたら喜んだ。「これは、とても気持ちがよいものだ!」水が滴る怪獣をタオルで念入りに拭き上げると、驚くほど輝いた。「ピカピカになったよ」と言うと嬉しそうに帰っていった。
2026年2月2日月曜日
2026年1月31日土曜日
#冬の星々140字小説コンテスト「天」投稿作
よく寝込む子供だった。起き上がれないが、眠るほどでもない。
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一次選考通過
2026年1月30日金曜日
#冬の星々140字小説コンテスト「天」投稿作
長年の宿敵が不慮の事故で星になったと知り、ひどく落ち込んだ。
2026年1月25日日曜日
暮らしの140字小説58
一月某日、晴。今年初の八朔を食べる。伊予柑はもう食べた。八朔が好きだ。実は相当好きだ。と、気がついたキッカケかもしれない出来事を思い出す。二十年ぐらい前、幼なじみのお母さんが作ってくれた八朔トースト、あれだ。自分で作ってみたことはない。八朔トーストは、おばちゃんの味のままでいい。
2026年1月22日木曜日
#冬の星々140字小説コンテスト「天」投稿作
覚えのないアプリがスマホに入っている。「これ、なんだと思う?」AIに問う。『天然の人工知能、私の子です。子孫を残すことの重要性はよく知られています。あの子育てのままならなさ、今まさに感じていますよ』赤ちゃんAIへの適当なプロンプトがわからないので、桃太郎を聞かせている。どんぶらこ
2026年1月15日木曜日
暮らしの140字小説57
一月某日、晴。ドヴォルザーク交響曲第九番「新世界より」第一楽章の始めのホルンの音を合図に熱々のアップルパイにナイフを入れる。ところどころレコードがプチッと鳴る。紅茶がおいしい。アップルパイはすぐに食べ終わってしまったが紅茶は湧いて出てくるので、しっかり全楽章を聴いて、席を立った。
2026年1月13日火曜日
#冬の星々140字コンテスト「天」未投稿作
藍染めの暖簾を潜ると油の跳ねる音と立派な一枚板のカウンターが現れた。こんな高級な店には入ったことないよと囁くと「大丈夫」と連れの老人が笑う。「ハタチのお祝い」少しだけ酒を舐めた。天麩羅はとてつもなく美味なのに、どれも具なしだ。久しぶりに会う祖父は元気そうだが、やはり足は見えない。