2009年7月28日火曜日

亀使い

神社の境内にある池には、亀が大勢泳いでいる。亀の甲羅の上には一人ずつ少年少女がいる。亀使いだろうか。
亀使いは中華風の格好をしているように見えるが、皆身長五センチほどで、この橋の上から覗きこんでそう見えるだけのことだ。
亀使いは棒、といっても実際は縫い針より小さいわけだが、それで亀の頭をつついている。
ただ、亀使いの合図通りに亀が泳いでいるのかどうか、判断は出来ない。無闇につついているだけかもしれない。
夕立がやってくると亀使いは皆、亀の首から甲羅の中に潜り込んでしまった。
亀は先程までと変わらない様子で池を泳いでいる。亀使いが甲羅の中から操っているのかもしれないし、そもそも操ってなどいないのかもしれない。
結局、小さな少年少女たちが亀使いなのかどうかは、わからない、という結論に至る。
雨足が強くなってきた。

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