懸恋-keren-
超短編
2007年2月1日木曜日
二月一日 ヘーゼルナッツココア
ヘーゼルナッツココアは、たっぷりと厚いマグカップに注がれていた。
でも、マグカップは生クリームでできていたから、急いで飲まないと、溶けてしまう。
わたしは、美味しいココアを慌てて飲まなければならなかった。
でも、そんなふうに慌てていたのは、わたしだけだったのだ。
友達のマグカップも、ほかのお客のマグカップも、しっかりとした白い陶器だ。生クリームなんかじゃない。
一体誰の仕業だろうか。今日はウサギを一度も見ていない。
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