懸恋-keren-
超短編
2007年2月12日月曜日
二月十二日 乳香
乳香が漂うとウサギは身をよじった。
「どうした?苦手な香りだったか?」
「いや、いい匂い過ぎて。どうしたものか」
その声はうわずっていた。
ウサギがいるときには乳香は焚けないな、と思いながら蝋燭の火を吹き消した。
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