2006年1月15日日曜日

神さま稼業

神さまはピカピカのタマゴの姿で、人々を見物している。
転がって移動するのは身体中が痛い上に、目が回って難儀である。
牛に蹴飛ばされたり、犬に舐められたりもする。
女の子が道端を転がる神さまの後を付いてくるので神さまは聞いた。
「むすめ、何故ついてくるのだ?」
「あなたが転がると、うっとりしちゃうの。なんだかいい音がするから」
神さまはみっともない音だと思っていた。
身体のあちこちをぶつける音だもの。
褒められるとは思ってもみなかった。
神さまは張り切って転がった。もっと目が回った。

《Trompong》