2006年1月1日日曜日

鐘の音

ヒャクとヤッツが鐘を鳴らす。
ヒャクが大きい鐘を、ヤッツが小さな鐘を。
ヒャクの鐘の音は大地を走り、ヤッツの鐘の音は空を駆け抜ける。
二人が年に一度鳴らす鐘は、地平線の向こうまで届くのだ。
ところが雨が邪魔をする。雨粒が鐘の音を飲み込む。
いくら鳴らしても、二人の鐘は響かない。
それでも雨は、二人の笑顔までは阻止できない。
だからヒャクとヤッツは鐘を放さない。