懸恋-keren-
超短編
2005年11月21日月曜日
Lemon‐Rain
「雨がレモン色ならいいのに。あのコのスカートと同じ色の」
じめじめとした雨の日曜日、そんなことを思いながら歩いている少年がひとり。
「坊ちゃん、ちょっと雨を舐めてごらんなさい。レモン色ではないが、本日の雨はレモン味ですよ」
しずかに雨を降らせながら、呟く雨鬼がひとり。
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