2005年7月30日土曜日

大木パビムン

パビムンは大木に寄り掛かって、待っている。
昼は夜を待ち、夜は朝を待った。
時折、パビムンを憐れみ施しを与える者があったが
パビムンは無関心だった。
パビムンは施しを待っていない。
晴れの日は雨を待ち、雨の日は晴れを待った。
時折、パビムンに話し掛ける旅人がいたが
パビムンは返事をしなかった。
パビムンは話し相手を待っていない。
今、パビムンが待っているのは、死である。