懸恋-keren-
超短編
2005年7月3日日曜日
バス停に、アンキロサウルス
アンキロサウルスがバスを待っている。
もう三時間も待っている。
バスが来ないわけではない。
バスは彼女の前を通り過ぎて行くのだ。
「んもぅ。運転手は、あたしが見えないのかしら」
また、一台バスがやってきた。
「待って!乗ります!」
と彼女は叫んだが、バスは速度を落とすことなく通り過ぎた。
残念ながら、バスはアンキロサウルスよりも小さい。
《Ankylosaurus 白亜紀後期 全長9メートル》
次の投稿
前の投稿
ホーム